【Vol.16】Marketing Media Lab

ビジネスやマーケティングに役立つ記事やノウハウをお届けするニュースレター「Marketing Media Lab」第16号です
エルモ@広告屋 2021.07.05
読者限定

こんにちは、エルモです。

Marketing Media Lab 第16号をお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━
Marketing Media Lab 
Vol.16
( 2021年7月5日発行 )
━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

-----------------------------------------

1. Weekly Marketing News

Weekly Marketing Newsでは、今週1週間の注目ニュースや記事を取り上げます。このコーナーでは、直接的なマーケティング記事だけではなく、いずれあなたのマーケティング活動に役立つ情報・視点を(独断と偏見を交え)お届けます。俯瞰的なモノの見方を身につけ、長期で役立つマーケティングOSを身に着けていただければと思います。
-----------------------------------

NikeのD2C事業が急成長中。そのポイントは?

ナイキのD2Cとデジタル事業が大きく成長しています。

正直なところ、NikeのD2Cは流行りに乗っかった口だけパフォーマンスだと思っていたのですが、まったくもってそうではありませんでした。(心の底から謝罪したいです。)

2017年時点で「A Faster Pipeline to Serve Consumers Personally, At Scale」という声明を出し、いち早く顧客と直接つながることを意識したブランド戦略を掲げていたようです。

そんなNikeについて、Strainerの記事では、その成功要素としていくつかのポイントをあげています。

今回取り上げたいNikeのD2Cファクトは以下3つです。

①ナイキ全体のデジタル会員数は3億人を突破
②卸し先を3万社→40社まで厳選
③Nikeの現CEOはデジタル畑の経営者(eBayやPaypal出身)

(デジタルとD2Cが混在していてややこしいかもしれませんが、)D2Cとデジタルシフトは両輪のような関係で、D2Cを進めるにはデジタルの視点が、デジタル化を進めるにはD2Cの視点が欠かせません。

ナイキのD2Cシフトの本気度が伺えるのは②と③です。

今やナイキは、デパートやスポーツショップに商品を卸すことをやめ、ブランドに精通している一部ショップにだけ商品を流注させています。ある閾値を超えたら、販路を広げるべく卸しに力を入れている日本のD2Cブランドとは対照的な動きです。

③に関しても、本気で組織が変わるにはトップが変わらないといけないと痛感しますね。

強力なブランド力を有している点で、これからNIKEはスポーツ界のAppleのように、自社ECで大半のモノを売っていくようになるのかもしれません。

***

YouTubeが次のテレビになる

Googleから、Youtubeに関して新しいデータが公表されました。

ネットに繋がれたテレビ(コネクテッドTV)は半数をこえ、YouTubeをテレビで見るユーザーはMAUベースで2,000万人を突破したそうです。

2021 年 3 月時点では月間 2,000 万人以上がテレビ画面で YouTube を視聴しており、特にログインユーザーの 20 % 以上は、ほぼテレビ画面のみの視聴です(*3)。10 万人以上の登録者がいる YouTube チャンネルは日本に 4,500 以上(*4)あります。視聴するタイミングやコンテンツの選択肢が多いことは、従来のテレビの見方とは異なる、YouTube ならではの特性です。

今後注目したい点が、ウケるYouTubeコンテンツの変化です。

いまのYouTubeコンテンツは、基本的にスマホ画面(それかPC画面の4分の1程度)で見られることを前提にしています。

これからTVの大画面で見られることが主流になると、TV画面にフィットしたコンテンツが流行り出すのではないか?と想像しています。というのも、今のYouTubeは、YouTuberが演者ひとりでコンテンツを提供していることが多いですが、これはスマホ画面の制約を受けているからです。

スマホ画面だと演者1~2名が限界だったものの、テレビの大画面にスクリーンが変わることで、また新しいコンテンツが生まれるような気がしています。

結局のところ、それはテレビバラエティのような形になるんだとは思いますが・・・・笑

***

ニトリ決算に学ぶ主要KPIのPDCA

ニトリが相変わらず好調で、巣ごもり需要をうまく取り込み、6月30日に好決算を発表しています。

ニトリの経営が凄まじいのは、徹底した主要KPIのモニタリングです

決算期ごとに、22の経営指標効率を追い、それぞれの項目で勝敗表をつけています。このような形で公開されています。

私の憶測ですが、ニトリでは徹底したKPI管理によって、ゴール(KPI達成)から逆算された打ち手を考えるクセが習慣化されているはずです

逆に普通は、個人でも法人でも、目標を掲げるだけで終わる。一度決めたKPIが形骸化する。最後にゴールポストをずらしてしまう。ということが日常茶飯事です。

きっとニトリから学ぶべきは、

・事業にクリティカルに影響を与える適切なKPI設定
・そのKPIを忠実にモニタリングしていく姿勢

この2つなんだと思います。

あなたのビジネスでは、目標設定と、ゴールから逆算してブレイクダウンされたKPI設定、そのモニタリングができていますか?

KPI管理のきっかけになれば幸いです。(※ちなみに私はほとんどできていません。)

***

DMMブックス 人は機能ではなくムードで動く

  3月25日『DMMブックス』では、初回購入に限って70%OFFになるキャンペーンを行いました。その結果、上限の100冊まで購入する人が続出。社会現象と呼べるほど拡散しました。想定以上の大反響を踏まえ、当初の予定を大幅に前倒しして終了。DMMの歴史のなかでも最大級のインパクトを残す赤字施策となりました。  

今年の3月末にDMMブックスが全電子書籍を70%OFFキャンペーンを実施し、Twitterで話題になっていたことを覚えていますでしょうか?

結論、「想像以上の買われすぎ」が起きたようで、キャンペーンは前倒しで終了になったそうです。(笑)

このDMMブックスのキャンペーン、個人的に注目した事象がこちらです。

 キャンペーンがスタートした時点では反響がなく、ほとんど無風状態。ところが、4月4日のいくつかのツイートをきっかけに反響が広がっていきました。その中で、上限100冊を購入する人が拡大しました。

どうやら、ローンチ直後から大反響のロケットスタートが起きたわけではなく、2週間後に突如として「電子書籍の売れすぎ」が発生したようです。

たぶん「みんなが買ってるから私も買う」という雰囲気が醸成されて、購入数が激増したのだと思います。

たとえば、このようなツイートのことです。

つまり、「100冊まで70%OFFキャンペーン」という公式からの機能訴求だけではそこまで人は動かず、「私はこのキャンペーンで100冊買ったよ!」というムード(UGC)が大量のユーザーをさらに動かしたと言えます。

「企画でバズらせたい、ムーブメントを起こしたい」という方は、機能スペック訴求ではなく、人が実際に動いたムードから逆算して(想像して)打ち手を考えてみることが大切。(※ステマはダメなのでそこはご注意を)

ヒントとしては、数字でスペック(割引など)を訴求することに加えて、具体的な使い方提案までコピーに添えると、人は動きやすくなると思います。前者はただの数字、後者は人の行動まで訴求に落とし込んでいますので。

参考:ムーブメントを引き起こすには二人目が重要という動画も合わせてご紹介。良かったら、こちらも見てみてください。ムーブメントを起こす本質はいかに二人目を作り出すかです。

***

その他気になるニュース

--------------------------------------

2. マーケティングの引き出し

マーケティングに役立つ知識や視点、ノウハウをお届けするコーナーです。
知っていたらどこかで役に立つ、折に触れて思い出したい知識をお送りいたします。
-----------------------------------

今週は、「マーケティングの差別化要素にサービスがあるよね」って話をしたいと思います。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3742文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
【Vol.60】Marketing Media Lab
読者限定
【Vol.59】Marketing Medi Lab
誰でも
【Vol.58】Marketing Medi Lab
誰でも
【Vol.57】Marketing Medi Lab
読者限定
【Vol.56】Marketing Medi Lab
読者限定
【Vol.55】Marketing Media Lab
読者限定
【Vol54】向かい風が吹くアフィリエイト広告/フジロックCMから見え...
読者限定
【Vol53】マーケティング的に言うと、テレビのリーチ力に代わるネット...