【Vol.57】Marketing Medi Lab

【毎週どこかで配信】マーケターがお届けするビジネスニュースレターです
エルモ@広告屋 2022.11.14
誰でも

こんばんは、エルモです。

Marekteing Media Lab 第57号です。

1. Weekly Business News

Weekly Business Newsでは、今週1週間の注目ニュースや記事を取り上げます。このコーナーでは、直接的にマーケティング関わる記事だけではなく、いずれあなたのマーケティング活動に役立つ情報・視点を(独断と偏見を交え)お届けます。俯瞰的なモノの見方を身につけ、長期で役立つマーケティングOSを身に着けていただければと思います。

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向こう数ヶ月はTwitterから目が離させなさそう....!

イーロンマスクがTwitterを買収し一週間が経ちました。

すでに複数のアップデートやテストを開始しており(しかもそのうちいくつかはテスト中止!!w)、全てのTwitter変革を追うのは無理だろうなと思っています。

そんな中、Business Insiderから、イーロンマスクがTwitter全社員に送られた社内メールがリークされています。以下、その全文です。

https://www.businessinsider.com/elon-musk-email-ends-remote-work-twitter-staff-office-2022-11

https://www.businessinsider.com/elon-musk-email-ends-remote-work-twitter-staff-office-2022-11

★気になった一部を翻訳★
はっきり言って、今後の経済状況は悲惨です。特に、困難な経済状況の中で広告に依存している私たちのような会社にとっては、なおさらです。しかも、当社の広告収益の70%は、ダイレクト型広告ではなくブランド広告に依存しており、二重の意味で脆弱なのです。

だからこそ、この10日間、Twitter Blueのサブスクリプションを開発し、立ち上げることを優先してきました(チームに大きな賛辞を贈ります!)。大きなサブスクリプション収入がなければ、Twitterは今後の経済不況を乗り切れない可能性が高い。私たちは、収益のおよそ半分をサブスクリプションにする必要があります。

イーロンマスクは、広告ビジネスが本業でもないのに、これから広告業界に起きることを誰よりも解像度高く理解しているように思えます。

エルモ@Marketing Media Lab
@elmo_marketing
不景気になると「再現性が高い投資」「コスト回収期間が短い投資」に資本が集中する。広告の世界で言えば、レスポンス型広告にお金が集まるということ。イーロンマスクが「Twitter広告収益の7割はブランド広告だからこれからヤベー。早めにサブスク収益を作らんと!」と語っていたのはそういうこと。
2022/11/13 09:19
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ただし、これまでどのSNSもユーザーから直接お金をとる形でマネタイズに成功した事例はありません。「有料だったら他のSNSに移るわ」という力学が働き、直接課金よりもユーザーの囲い込みに必死でしたから。

これから、ユーザー離脱を防ぎながら、どう個人課金を進めていくのか、日々Twitterとイーロンマスクの動向に注目です。

個人的にTwitterの大改革で起こりそうなことはnoteマガジンにもう少し詳しくまとめています。

<その他:参考記事>

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赤字企業のTikTok、パフォーマンス広告の改善はあり得るのか?

飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けてきたTikTokですが、ブランド側のTikTokのダイレクトレスポンス広告(いわゆるCPAで判断する広告)の評価はまだまだ低いという記事です。

彼らによれば、TikTokのダイレクトレスポンス機能はまだ合格レベルには達していない。つまり、売上を生み出すことを目的とする広告費は、いまもメタやGoogle、Amazonに偏っているのだ。「広告売上の観点から見れば、この3社が広告プラットフォームのビッグ3であるのは当然だろう。ユーザーがそこを訪れ、広告をクリックして物を買うのだから。TikTokではそうはいかない」と、ブラウン氏は語る。

極論ですが、これら3つのメディアはそれぞれ自社独自の強みを有しています。

Google:人が勝手にニーズや悩みを検索してくれる
Facebook:個人情報が大量に集まっている
Amazon:そもそも買い物をしたいユーザーが集まっている

その一方で、TikTokはまだまだエンタメに振り切っており、購買との距離が遠いプラットフォームの印象です。(一部では、動画で商品を紹介するコマースコンテンツも増えていますが、それは広告ではなく、あくまで発信者がモノを売るスタイルです。ブランドが期待している「広告を大量投入すればその分商品が売れる」形とは異なります。)

ここで、イーロンマスクの言葉「不況下ではレスポンス広告の需要が高まるので、そのリスクヘッジで別のマネタイズ方法を考えなければならない」が思い起こされます。

Twitterは有料課金システムに舵を切ろうとしていますが、TikTokがどの方向に進んでいくのか、こちらも注目ですね。

<参考記事>

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BotanistのI-neが好決算を発表、その中身とは?

BOTANISTブランドを運営するI-neが決算、増収増益の好決算を発表。

(I-neというとD2C企業の一つと言われていますが、その実態は(少なくとももはや今は)ドラッグストアを活用した王道的な消費財ブランドの戦い方をしています。)

ポイントは、主力ブランド2つ(BOTANISTとSALONIA)と育成ブランドがそれぞれ売上を伸ばしている点です。I-neは親切なことに、ブランド別の売上高もオープンにしています。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

D2Cのような一発当てたブランドというのは、主力ブランドひとつに売り上げの大半が集中していることが多いのですが、I-neは売上ブランドの分散化に以前から取り組んでおり、その種まきがうまく成果として出てきてた形です。

とくにI-neの場合、「育成ブランド」という言葉を決算資料で使うほどで、次の主力商品(野球でいう2軍)への種まきを明確に行なっています。

ちなみに、育成ブランド群をまとめると、その売上は、BOTANISTの半分ほどまで伸びていきいます。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03869/fedbc24c/88a7/4d34/a37e/d55605e11371/20221111075513211s.pdf

育成ブランドが順調に伸びてきている理由は、各ブランドのプロモーションの巧みさもあるのでしょうが、何より主力ブランドが抱える配下店舗を使えるのが大きいのではないでしょうか。

決算資料にあるように、新商品を2万店舗近い店舗に配荷しており、この「ローンチ→店舗配置テスト」はI-ne独自の競争優位性だと思います。(BOTANIST全体で6万店舗とつながっているそうです。)

I-neの戦い方はP&Gのような消費財ブランドのマーケ戦略そのもの。「シェアが増えるほどリピート率も上がる」ダブルジョパディの法則も働くため、今後も成長していくのではないでしょうか。

卸しを活用したマーケティングは、広告規制やプラットフォームのCPM変動に依存しないので、他のD2Cブランドとは異なり、これからもかなり安定した成長を見せると思います。

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ユーザーベースがTOBで非上場化

ユーザーベースが米国の投資会社カーライルにTOBされ、上場廃止されることが決定しました。

ユーザーベースというとNewsPicksが一番認知度が高いですが、実際の収益源はBtoB向けのSaaSサービスSPEEDAです。

特に直近1年はNewsPicksは売上トップラインは減少、赤字事業になっている状況です。

今回のTOBにより、Twitterでは「そのままNewsPicks事業が畳まれるんじゃないか?」といった意見も散見されました。(赤字事業を消して、黒字事業だけでやっていくのは合理的な考え方として一つありますよね。)

ただし、以下のユーザーベース非公開化について村上誠典さんまとめられたnoteには、SaaSの競争優位性はメディア事業にあるとしています。

何度も触れていますが、復活には人的資本の拡充が何よりも重要だと思われます。NewsPicksを軸にしたSaaSとのハイブリッドモデルを変えることはないでしょうし、そのユニークさを発揮するためには、まずNewsPicksの復活なしにはなしえないでしょう。
~中略~
SaaS x NewsPicksのモデルが持続的に競争力を有し、ユニークさを構成し、解約率を低下させるネットワーク効果を発揮するためには、NewsPicksが圧倒的にユニークで熱量の高いコミニティを構成していることが不可欠です。

たしかにSaaS単体であれば、入口(新規集客)が他のSaaSと変わらないですし、「NewsPicksあってのSPEEDA」というのは至極真っ当な考え方です。

いまネットメディア単体で食っている国産ビジネスメディアはほぼ存在しません。(日経も元々の紙の強さがありますし・・・)

イチメディア人としては、それなりに規模の大きいネットメディアが自走できることを証明して欲しいと思っているので、ぜひNewsPicksにはV字回復してほしいです。ハイ、個人的な感想した(笑)

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その他気になった記事

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2. 最近のnoteマガジン

マーケティングの話題を中心に、「日々の思考」をアウトプットしている超私的マガジンです。

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今号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今週から気温が下がるらしいので、寒さにはお気を付けください~。

ではでは。

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