【Vol25】Twitterのダイレクト課金「スーパーフォロー」の出だしは最悪?その理由とは?
こんにちは。マーケターのエルモです。
先週、Marketing Media Labの購読者数が2,000人を突破しました。いつも、ニュースレターをお読みいただき、ありがとうございます。
なんとなくの気持ちで始めたニュースレターですが、いまではTwitter上でのご感想や、読者さんからいただくご質問がレター執筆の原動力になっています。そして、自分もこうして「書く」ことを通じて、毎週なにかしら良い発見に出会えています。
ありがとうございます。
今週は2つの質問にお答えしておりますので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします!
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Marketing Media Lab
Vol.25
( 2021年9月21日発行 )
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1. Weekly Marketing News
Weekly Marketing Newsでは、今週1週間の注目ニュースや記事を取り上げます。このコーナーでは、直接的なマーケティング記事だけではなく、いずれあなたのマーケティング活動に役立つ情報・視点を(独断と偏見を交え)お届けます。俯瞰的なモノの見方を身につけ、長期で役立つマーケティングOSを身に着けていただければと思います。
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Twitterのダイレクト課金「スーパーフォロー」の幸先は絶不調
世界に先駆け、北米(アメリカ・カナダ)でスタートしたTwitterのダイレクト課金サービス「スーパーフォロー」。しかし、その売り上げは、なんと2週間でTwitter社全体で66万円。
いくら人数を絞ったテストスタートとはいえ、あまりに悪い初動だと思います。
個人的に、Twitterのスーパーフォロー含め、SNSでのダイレクト課金シフトに注目していたのですが、2つほど見誤っていたことがあったかもしれません。
①そもそもマネタイズできる有力クリエイターは、すでに外部サービスでマネタイズしている。
②無料コンテンツを有料に切り替えるのは至難の業
まず、そもそもこのダイレクト課金のUIが導入され、はじめてお金儲けができる人は、実はそんなにいないのかもしれないという仮説です。
インターネットは、だれも(エンドユーザー)が最上位層にアクセスできる素晴らしい仕組みなわけで、すでにお金を払ってでも楽しみたいと思われているクリエイターは、すでに他でマネタイズを行っています。(日本でいうと、オンラインサロンやnoteなど。)
なので、実は、このタイミングでマネタイズが見込めるクリエイターは、そんなにいない可能性があります。
もうひとつが、「お金を払う」ハードルは想像以上に高い視点です。値上げならまだしも、「無料→有料」のスイッチはそう簡単なものじゃないと改めて痛感させされました。
ネットに限らず、日常で経験する「ティッシュ配り」や「無料のイベント」が突然有料になったら、当然私たち消費者はシラケます。
つまり、途中からの有料化に関しては、新しい付加価値を明確にプラスオンしないことには、SNSでのダイレクト課金は難しいということなんでしょう。なんせ、これまでさんざん無料でユーザーを楽しませてきたわけで、替えはいくらでもそこら中に無料で転がっています。
スーパーフォローを始めたい方は、自分は無料で楽しまれている消耗品と心得ておいたほうがいいかもしれません。
予定では、今月から日本でもスタートです。
2021年度のマーケティング予算の動向は?
Markezineが、マーケター向けにコロナ渦でのマーケティング事情の調査を実施し、その結果を公開しています。
個人的に、とくに目に留まったのがこちらの2枚です。
年間の広告宣伝費予算
昨対比での、マーケティング・販促予算の変化
まず、サンプル母数にどれくらいのバラつきがあるのかを考慮する必要があるものの、約半数の企業は年間のマーケティング予算が1億円以下という点です。もっと言うと、1,000万円以下の企業で4分の1を占めています。
このニュースレターの読者さんの所属先によって見方が大きく変わると思いますが、ファクトとして、販促予算は年間1億以下の企業が半分というのは覚えておいたほうがいいと思います。
ちなみに、お金をかけられない企業ほど、知恵と工夫で勝負する必要があるわけで、マーケターの腕の見せ所です。知恵とコミットメントが大きな差別化要素になるという意味で、このニュースレターのコアターゲット層でもあります。
もう一つは、「自社サイト、自社ECサイト」に力を入れている企業が増えている点です。コロナ渦では、ブランドのタッチポイントがデジタルにシフトしており、「母艦として自社サイトを機能させたい」というニーズが高まっているのだと思います。
この話は、次の話題へ続きます......
UXジャーニーの概念で、マーケティングを推進する
自社ECサイトへの投資への延長に、カスタマージャーニー全体へのコミットメントがあります。
こちらの記事では、「なぜナイキがシューズではなく、アプリにコミットするのか?」についての詳細が語られています。
いまはもう、顧客とのタッチポイント1つだけで選ばれ、収益を上げる時代ではなくなりました。そうではなく、ユーザーのゴール(痩せる、お金を稼ぐ、綺麗になる、健康になるなど)に向けて、一緒に伴走するブランドや企業が儲かるようになっています。
UXグロースモデルより転載
ちなみに、顧客と伴走すれば、ユーザーとのタッチポイントもおのずと増えるので、ユーザーの課題や悩みも発掘しやすく、よりニーズにあったソリューションを提供しやすくなる正のスパイラルが働きます。
今回は、イチ概念として、「点での機能貢献ではなく、線での貢献を目指す必要性」が伝わればと思います。
線で顧客に貢献する必要性が出てくると、一発プロモーションでの「騙し売り」などができなくなるので、入り口となる広告プロモーションもプロダクトと連動した形で誠実な対応が求められるようになります。
アフターデジタルUXはメチャ良書だったので、どこかでまとめて取り上げたいと思います。
神戸物産の経営論
変に僕が語ることは不要。とにかく読んでほしい記事です。
その他・気になったニュース、記事
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2. マーケティングの引き出し
マーケティングに役立つ知識や視点、ノウハウをお届けするコーナーです。
知っていたらどこかで役に立つ、折に触れて思い出したい知識をお送りいたします。
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マーケティングというと、奇抜なアイデアやソリューションに注目されがちです。実際、著名なマーケターでも独自のノウハウを売りにしていることもあり、その傾向に拍車がかかっているわけですが、、、成果を出しているマーケターに共通する能力は「周囲を動かす力」だと思っています。
P&G出身者や大手広告代理店のプランナーもノウハウで戦っているように見えて、彼らの強みも間違いなく「他人を動かすリーダーシップ」です。
すごい個人的な話をすると、、