【VOl31】テレビ局各社が決算を発表。テレビCMはコロナ前まで復調?!
こんばんは、マーケターのエルモです。
先週今週は、多くの会社の決算ウィーク。
気になる上場企業を検索してみて、決算資料を眺めるだけでも良いインプットになると思います。
それでは、今週の「ニュースレター「Marketing Media Lab」もよろしくお願いします。
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Marketing Media Lab
Vol.31
( 2021年11月8日発行 )
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1. Weekly Marketing News
Weekly Marketing Newsでは、今週1週間の注目ニュースや記事を取り上げます。このコーナーでは、直接的なマーケティング記事だけではなく、いずれあなたのマーケティング活動に役立つ情報・視点を(独断と偏見を交え)お届けます。俯瞰的なモノの見方を身につけ、長期で役立つマーケティングOSを身に着けていただければと思います。
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日テレが決算を発表。テレビCMはコロナ前に回復!
先週、日本テレビの決算が発表され、増収増益での着地しています。テレビ広告収入は一昨年のコロナ禍前の水準にまで回復しているようです。
決算資料より抜粋
ここ数年、あれだけテレビの影響力が落ちていると騒がれているわけですが、広告収入に関しては、アフターコロナで大打撃を受けた状況ではないようです。
むしろ、テレビCMは、人流とは無関係なので、感染症に強いビジネスモデルだったのかもしれません。一方で、人流に大きく依存している屋外広告や電車広告はいまだに大打撃を受けています。
じつは、日本テレビは決算の度に、テレビCMのカテゴリーシェアを公開しています。今回はひとつの知識として、2021年と11年前の2011年のテレビCMの出稿カテゴリーを見比べてみましょう。
まずはこちらが今回、2021年のCMカテゴリーシェア。
つづいて、こちらが10年前の業種別売上
2011年 第2四半期決算説明会より
この2つのデータを見比べると、
・化粧品、トイレタリー:減少(12.8%→9.5%)
・通信ゲーム:増加(8.0%→18.4%)
・サービス:増加(4.9%→10.4%)
・卸売百貨店:TOP10から消滅
あたりが、主な10年間の変化でしょうか。
化粧品に関しては、コロナ渦で需要が大きく減少したことが要因だと思われます。
一方の、通信ゲーム、サービスに関しては、世相をダイレクトに表していますね。
というのも、テレビCMというのは、基本的に儲かる、または儲かっている業界しか手が出ません。莫大な投資コストがかかるので、お金に余裕がある企業か、投資回収が見込めるビジネスモデルしか出せないわけです。
そんななか、通信ゲーム、サービスのシェアが増えているというのは、ここ10年で日本で成長したカテゴリーがこの2業界だと言い換えることができるのかなと。実際テレビをつけると、SaaSやスマホゲームのCMばかり見かけますしね。笑
ということで、テレビCMのシェアを見比べるだけでも、日本の元気な産業が見えてくるよという話でした。
ユーザーベースの決算。NewsPicksはこれからどうなる?
NewsPicksでお馴染み、ユーザーベースが増収増益の決算を発表しています。
株式会社ユーザベースが4日に発表した2021年12月期 第3四半期の連結業績(2021年1月1日~2021年9月30日)は、売上高117億3800万円(前年同期比18.1%)、営業利益14億4700万円、経常利益13億2100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益4億9500万円となりました(決算短信)。
一方、直近1年の株価は右肩下がりの状態で、1年前の半値近くまで落ちてきています。
なぜこのような事態になっているかというと、「次の新規ユーザー獲得(拡大)の糸口が見つかっていないから」というのが大きそうです。(あくまで仮説ですが)
実際のところ、ここ1年は有料会員数が頭打ちになって来ています。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3966/ir_material_for_fiscal_ym2/108129/00.pdf
決算発表では、
・マス広告を打ち新規獲得を拡大
・NewsPicksサービスのパーソナライズ化
・トピックスを細分化し、各ユーザーのニーズに対応
と、今後の戦略を打ち出しています。
ただし、テレビをのぞき、上記の打ち手に共通しているのは、「コストはかかるが、リターンは小さい」なんですよね。
私のような個人メディアが趣味でやるならともかく、事業としてここまで手を出さないと新規を獲得できないというのは、相当に新規獲得に困っているのではないか?と推察します。
(※もちろん、儲かっているうちに細かいところまでケアをしているという風にも取れるので、何が真実かはわかりません......)
今後のNewsPicksの打ち手と新規ユーザーの動向に注目です!
メタバースが若者にこそ受けない意外な理由
こちらは、メタバースに対して「Z世代は意外と嫌悪感を示すんじゃないか?」という記事。
メタバースはまだまだ新しい概念なので、今ココで出る「抵抗感」にどれくらいの意味があるのかという話ですが、この記事で指摘されているのは、かなり重要な視点だと思います。
率直な気持ちとしては、面倒かな、と。今回も、以前ゲームしたときもそうでしたが、ヘッドマウントディスプレイの装着がけっこう大変に感じます。超ヒマぐらいなときでないと、やるのはキツいかなと。仕事で日常づかいとなると、“重ため”だなって感じそうです。
そもそもですが、スマホを気軽にいじれないのはけっこうストレスかなと。たとえば会議中、普通にスマホで検索したりしますよね。VRだとそれが簡単にはできない。アバターがフンフンって聞いているように見せかけて、実は頭からヘッドマウントディスプレイを外してスマホを見られるよるような機能があったらいいですね
別にZ世代に限ったことではないですが、視聴画面・コンテンツをころころ変えたい人にとって、世界を拘束されるVR空間はかなりのデメリットになりそうです。
すこし話を飛躍させると、僕は「メタバースは日本にこそフィットするものだ」と思っています。
なぜなら、高齢社会に突入して、フィジカル的に不自由な人がたくさん出てくるからです。
・家から出られない
・自由に外を歩けない
身体的に制約がある人こそ、インターネットでビュンビュン自由に飛び交うコミュニケーションの恩恵を受けられるわけで、健全な若者や若年層が多い国では流行らない可能性もあるのかなぁと思っています。(※もちろん、VRを引っ張るのはゲームですが。)
いまは、治療費以外で、介護施設や病院にいる老人からお金を巻き取る方法はありませんが、VRやメタバースが盛んになると、このビッグマネーも動き出すのではないでしょうか?(笑)
老人市場とテクノロジーが掛け合わさった威力に、僕はこっそり期待しています。
プロダクトの切り口を変えると途端に売れる事例
創業200年以上の老舗和菓子店がなかなか売れなかった「羊羹(ようかん)」を薄くスライスすることで売上が1000倍になったそう。(笑)
この記事を読んで思い出したのが「金儲けのレシピ」の一節です。
この世界に存在する財は、「集めると高くなるもの」と「分けて高くなるもの」が存在している。
たとえば、集めると高くなるものの典型例は土地である。~中略~ なぜ土地を集めると高くなるか、それは狭い土地であれば2階建ての民家しか建てられないところ、まとまったエリアがあれば50階建てのビルを建てられる。すなわち、48階分は生み出されるキャッシュフローが増大することになるからである。
一方、分けると高くなるものの代表例は、肉や魚である。肉と魚は、塊の状態よりも切り身になっているほうが値段が高い。実際のところ、カットする工数は大したことがないのだが、ひと手間かかっているという認知が働き、高い支払いを消費者が許容するわけである。
今回の羊羹スライスは、まさに「分けて価値が上がったモノ」の新しい例だと思います。
みなさんのビジネスでも、「まとめて価値があがるもの」「分けて価値があがるもの」はないか?を考えてみてはいかがでしょうか?
ほかに気になったニュース・記事
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2. マーケティングの引き出し
マーケティングに役立つ知識や視点、ノウハウをお届けするコーナーです。
知っていたらどこかで役に立つ、折に触れて思い出したい知識をお送りいたします。
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