【Vol5】Marketing Media Lab
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Marketing Media Lab
Vol.5
( 2021年3月6日発行 )
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1. Weekly Marketing News
Weekly Marketing Newsでは、今週1週間の注目ニュースや記事を取り上げます。このコーナーでは、直接的なマーケティング記事だけではなく、いずれあなたのマーケティング活動に役立つ情報・視点を(独断と偏見を交え)お届けます。俯瞰的なモノの見方を身につけ、長期で役立つマーケティングOSを身に着けていただければと思います。
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早速、今週の気になったニュースや記事を紹介していきます。
今日は取り上げるニュースが多いのでサクサク行きます。気になった記事があれば、ぜひ時間をとってじっくり読んでみてください。
メルカリがアリババと連携
メルカリは1日、中国のネット通販最大手アリババ集団と組んで越境販売を始めると発表した。アリババグループの通販サイト「淘宝(タオバオ)」、フリマアプリ「閑魚(シェンユー)」と連携。日本のフリマアプリ「メルカリ」に出品された商品を中国の利用者が購入できるようにし、越境EC(電子商取引)を強化する。
メルカリがアリババと連携することで、メルカリに出品された商品を中国人に届けられるようになるようです。このニュース、なかなかの衝撃ではないでしょうか?
これ、何が起きるかというと、メルカリの商品価格に中国のマーケット原理が働くようになります。
あくまで予想ですが、中国人に需要のあるものは値段が釣り上がって、日本人が買えなくなるものも出てくるのかなぁと思っていたりします。
逆に、物販ビジネスをやっている方は、簡単に越境ECができるチャンス。今の越境EC業者からしたらたまったものじゃありません。商売人としては、「高く買ってくれるお客さんが新たに出てきた」とポジティブに考えた方が良いでしょう。メルカリ×越境ECは、これから副業界隈で盛り上がりそうです。
Google ネット広告の制限強化で個人閲覧の追跡を制限
米グーグルがインターネット利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用制限を強化する。広告会社などが一人ひとりの情報を使って広告を配信する技術を排除する方針だ。米アップルもプライバシー保護を強化しており、配信対象を絞り込むターゲティング技術を高度にすることで成長してきたネット広告の転機となりそうだ。
GoogleもAppleを追う形で、プライバシー保護強化に出るというニュースですね。具体的には、サイトを横断して個人を追跡・判明させるターゲティング広告に制限がかかるという話。
ここで、超個人的な見解を2つ書いておきます。
①ターゲティング広告の規制は、より過激なWEB広告を生む
②そもそもGoogleはAppleほどプライバシー保護に乗り気ではない
ターゲティンング広告というのは、これまでの行動履歴を元に、狙いをさだめて広告をぶつけるテクノロジーです。つまり、普通に全ユーザーに届くTVCMや純広告と比べて広告の獲得効率が良いのが特徴となっています
広告の成果効率は、「メディア×クリエイティブ」の掛け算で決まります。
たとえば、不動産の広告チラシのパワーは、
・「誰に配るか?」という場所の変数
・「どれだけ興味喚起できるか?」というチラシクリエイティブの変数
で決まっています。
今回は、この誰に配るか?というメディアに制限がかかるということですね。
このターゲティング広告が使えなくなると、これまでの効率でWEB広告を回せなくなります。しかし、「広告主はこれまで同様の効率でWEB広告を運用したい」。
そこで、メディアの効率が落ちた分を、クリエイティブで取り返そうとする。これが、ターゲティング広告規制で起きそうなことだと見ています。
効率的な露出を失った分を、人を動かすクリエイティブで取り返そうとするんですね。
瞬間的に人を動かす広告というのは、見えづらが汚い広告ばかりだったりするので、WEBが余計に汚染されるんじゃないかなぁと感じています。ただの憶測で終わるといいんですけどね.......汗
次に2つ目は、「なんやかんやGoogleはプライバシー保護に乗り気じゃない」説です。
というのも、Googleの収益は広告に大きく依存しています。こちらが、AppleとGoogleの収益構造を可視化したグラフです。
Apple、Googleなど世界を席巻する5大IT企業の収益構造をグラフ化してみたら、意外な違いが見えてきた
Googleは8割以上の収益が広告に依存していますが、Appleの場合はiPhoneやMacなどのハードウェアが会社を支えています。
iPhoneはエンドユーザーを顧客にした商売なので、Appleがプライバシー保護を第一にするのも、実は合理的です。顧客満足度向上によって、iPhone利用者が増えるチャンスに繋がるわけです。
一方でGoogleの顧客は、ユーザーではなく、広告主です。Googleに広告を出す広告主が存在しなければ、Googleのビジネスも成り立ちません。この両者の違いから、Googleはそこまでプライバシー保護に乗り気ではないし、むしろ広告主さまが離れないために、どうプライバシー保護問題を切り抜けるか?を必死に考えている気がしています。
D2Cのバルクオムと森岡毅氏の刀が資本提携
バルクオムは、「世界のメンズビューティをアップデートする」というビジョンおよび「世界No.1シェアのブランドをつくる」というミッションの実現に向け、世界唯一のマーケティングライセンシングカンパニーである刀社が持つ広い事業領域における高度なマーケティングノウハウを取得し、より消費者に向き合うブランド設計を刀と共に行なうことで最短かつ最大限の事業成長を目指します。
メンズコスメを扱っているD2Cブランドのバルクオムが、森岡毅さんの「刀」と資本提携。これもなかなか衝撃です。
具体的には、マーケティングの支援を受けるようです。
・マーケティング戦略立案・実行プログラム
・組織設計・経営システム支援プログラム
・マーケティング人材育成プログラム
これまで森岡さんが携わるプロジェクトは、D2Cとは対極にある販路が広いビジネスが多い。(P&Gプロダクト、USJ、丸亀製麺など)
一方のD2Cは限られた販路を一点突破で打ち破りグロースする商売です。
バルクオムは昨年、キムタクを起用してTVCMをやっているのですが、多分これ、マーケティングとしてはそこまで成功していない気がしております。..
というのも、TVCMと相性が良い商材は、販路が広く、気づいた時にどこででも手に取れる商品だったりします。店頭で見かけて「あ、これCMでみた商品か!」と思いだしたりするわけです。いわゆるマスブランドですね。
一方のD2Cは、その特性上販路は限られており、「その場で買ってもらわないと、あとあと購入してもらう機会がない!」という状況なんですね。これが、D2Cとマスブランドの大きな違いです。
つまり、D2Cブランドが単純にCMを流しても、そう簡単に売上は繋がらないということ。そんなD2Cという特殊なビジネスモデルで、どう森岡さんが打ち手を考えるのか、注目です!
ディズニー、北米で60店を閉鎖 21年末までに
どうやら、Disneyは実店舗をアメリカで60店舗を閉めるよう。
一方で、Disneyの動きと逆行している業態もあります。それが、D2Cブランドです。
ネットでグロースしてきたプロダクトの次の打ち手は、オフライン店舗への参入。
「店舗が存在する」というブランディング効果や顧客体験(CX)を高めることを狙い、ネットで成功した会社がどんどん実店舗に乗り出してきています。
たとえば、Ankerさんは、いま絶賛オフライン店舗開拓中ですね。
このニュースを取り上げてなにが言いたかったというと、「超強力なブランド力を持つ会社はオンラインだけでもお客さんは集まるし、逆にこれからブランドを強くしていく会社はオフラインに乗り出していく。まるで違ったアプローチをしている」ということです。
オフラインとオンライン、どちらが正しいのか?というのはケースバイケースなので、ちゃんと自分たちのブランドの立ち位置や状況を考えてみましょうって話でした。
なぜロングターム思考が重要か、なぜ多くの会社がロングターム思考ができなくなるか
レシピ動画サービス「クラシル」を手がけているDely堀江さんとCTO、CXOの御三方の対談記事です。
一部抜粋します。
素晴らしいビジネスっていうのは複利で伸びていきます。これはもう全員が、うちの会社だったら理解してると思うんですよ。複利で伸びるってことは、100億に対してだったら30%伸びてたら130億になるし、1,000億に対してだったら1,300億になるから、年々利益とか売上の値としての大きさはどんどんボリュームが出てきます。で、結局そのボリュームになるまで我慢できずに20%30%毎年伸び切るのがわかってるのに、功を急いで価値を崩してしまうような意思決定が多い気がしましたね。
簡単にいうと、2,3年の短期利益最大化を得るためのチョイスと、10年20年で利益を最大化する意思決定は全く別物であることが多いよね、という話です。
そして、「これからもビジネスが複利で伸びていきそうか?」を自問自答することが大切だと感じました。複利で伸びていかないというのは、どこかで無理をしていたり、利益を追求しすぎて焼畑農業的なお金の稼ぎ方をしていること。
ロングターム思考でモノゴトを考えて、最終的に大きな果実を取れるようにしたいですね。
非常に勉強になりました。この記事は、ぜひじっくり読んで欲しいです。
TikTok、TikTok LIVE Gifting(ギフティング)機能、3月1日(月)から開始
TikTokが、ついに投げ銭機能を実装したようです。
twitterの投げ銭機能といい、今のソーシャルメディアは、直販ビジネスを推進しています。広告でマネタイズするビジネスモデルから離れ、ユーザー間でお金の流通を生ませようとしています。
別にどちらがいいというわけではないのですが、投げ銭機能がうまくハマると各プラットフォームの雰囲気も大きく変わるのではないか?と考えています。
個人的には、若者にお金が流入する機会になればと思います。
ビルゲイツさんも裏垢を持っているらしい
Twitterで「バーナー(burner)」アカウント(著名人などが使う匿名のアカウント)を持っているかと聞かれた同氏は、持っていると答えたが、この言葉は使わなかった。 「好きなように使っているTwitter(アカウント)と、公式のTwitterアカウントを持っている」とGates氏は述べた。「ほとんどの(ソーシャルメディア)サービスでも同様だ。公式の私がいて、それから『好きなようにやっている』私がいる」
最後に、すごいどうでもいいニュースを。笑
あのビルゲイツも「裏垢」を使って、ソーシャルメディアを回遊しているようです。ビルゲイツというハイパー影響力をもったアカウントでは、言いたいことを好きに言えたものではありません。「下ネタ」にいいね一つしただけで、ニュースになってしまいますから。
ほとんどの人は、ビルゲイツほどの影響力を持っていないわけですが、それでも少なからず「〇〇さんはこういう人」と勝手な期待(や印象)を持たれているのもまた事実です。
そういう意味で、影響力の多寡にかかわらず、アカウントを使い分けるというのはソーシャルを生き抜く秘訣だと思います。
以上、今週のWeekly Newsでした!
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2. マーケティングの引き出し
マーケティングに役立つ知識や視点、ノウハウをお届けするコーナーです。
知っていたらどこかで役に立つ、折に触れて思い出したい知識をお送りいたします。
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今日は、「キリンビールのマーケティング戦略資料」をもとに、ポジション論についてお話したいと思います。