【Vol24】「創作の民主化」が始まると、競争優位性の源泉が変わるよねって話

【毎週月曜19時配信】マーケターがお届けするビジネスニュースレター第24号です。
エルモ@広告屋
2021.09.13
読者限定

こんにちは、マーケターのエルモです。

今週は、いつものレター形式を変え、3つのトピックを深掘りして情報をお届けします。

主なトピックは以下の3つです。

・田端氏の解任で感じる、言論空間の潮目の変化
・R25、YOUTRUSTを触って感じた、テキストサービスのポイント
・ネーム制作アプリWorld Makerで感じた「創作の民主化」対策

では早速ひとつ目のトピックから。

言論空間(ソーシャルメディア)の潮目が変わった話

先週、田端信太郎氏の特定女性への意見ツイートが炎上し、結果的にご本人はカーステイ取締役を解任することになりました。

ここで取り上げたいのは、本件の妥当性ではなく、言論空間(特にソーシャルメディア)の潮目の変化についてです。(あくまで私の肌感覚です。)

田端氏としては、これまで通り、自分が「正しい」と感じたことをツイートした感覚だったはずです。しかし、結果的には解任という形で、所属先からキャンセルを食らったわけで、SNSを取り巻く環境になにかしら変化が起き始めているように感じます。

結論、日本にも遂にポリコレがやってきたと私は捉えています。

ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness、略称:PC、ポリコレ)とは、社会の特定のグループのメンバーに 不快感や不利益を与えないように意図された言語、政策、対策を表す言葉であり、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない中立的な表現や用語を用いることを指す。政治的妥当性とも言われる。

これまでインターネットは、世界を繋げながら趣味嗜好の細分化、多様化を手助けしてきたツールでした。

「Aの意見もあれば、Bの意見もあるし、Cの意見もある」といった形で、好き勝手に発言をし、その意見がそのまま残るのが旧来のネットだったと思います。(そういった意味で、意見の多様性は昔のインターネット村の方があったのかもしれません。)

しかし、今となっては、社会的に責任のある人やネットで影響力を持つ人には、大衆の意向から大きく外れない正解が求められるようになりました。

(不正解ツイートを表明すると、即謝罪、即キャンセルに繋がります。)

この傾向は現代の広報場であるソーシャルメディアも同じわけで、大きく潮目が変わってきているように感じます。

具体的にいうと、このような変化です。

Beforeポリコレ:尖った発言が、アテンションエコノミーでの競争戦略となる。
Afterポリコレ:大衆の正解から外れない発言が、自分を守る。

とくに、既に社会的に立場のある人や失いたくないモノを持たれている人ほど、BeforeポリコレからAfterポリコレに移行せざるを得ない状況になってきています。

このあたり、大衆心理の理解に長け、波乗りが上手なインフルエンサーさんはすでに感じ取っている話で、SNSから距離を置いたり、発言をまろやかにするなど、各自で対策をしているように思えます。

(田端氏に関しては、自分のスタンスを貫いた、社の立場より正義の優先度が高かったということなのかもしれません。想定外かどうかも含め、いつかご本人に聞いてみたい話です。)

ちなみに、オバマ前大統領は2019年に「行き過ぎたキャンセルカルチャーは良くない」と見解を出しており、やはりアメリカは良くも悪くも時代を先行しているなと感じます。

newsphere.jp

ここからは余談ですが、これから言論空間で強者であり続けるのは、一部匿名アカウントと所属先や社会的責任がないインディペンデントな実名プレイヤーだけになります。

彼らは、キャンセルしようにもどこからもキャンセルされない、無敵のポジションをとっているからです。

そんな人たちを横目で見る立場のあるインフルエンサーたちがサーっとSNSから消えていくのか、それともまた別の新しい動きがあるのか、なかなか予想はつきません。

***

荒削りな新サービスを使うと、気づきが多い

つぎに、最近よく話題の「新R25ワイドナショー」と「YOUTRUST」を取り上げてみます。

この2つのサービスは既存サービスと比べると、まだまだ試行錯誤の段階。それゆえ、サービスを使うと普段感じられない違和感もあったりして、サービス設計の良い勉強になります。

逆に、シリコンバレーの猛者が作った完璧サービスを使っていると、そう違和感を感じることすらできません。

特にここ1ヶ月両サービスを使ってみて、「テキスト主体のサービス、ソーシャルメディアでは、プラットフォーム側が「誰が言っているのか?」「良いコンテンツか?」をハッキリしてあげないとエンゲージが上がらない」という仮説を持つようになりました。

というのも、「新R25ワイドナショー」と「YOUTRUST」も似たような形で、お題に対する答えをユーザーに投稿させているのですが、圧倒的にエンゲージ差があるんです。

今のところ、ユートラさんが盛り上がってます。

(※新R25は出来立てホヤホヤサービスなのも理由だとは思います。)

なぜここまでエンゲージに差が出るのか?、さまざまな要因が考えられますが、タイムラインの表示デザインに大きな理由があると感じています。

各サービスのタイムラインは、以下の要領で表示されます。

新R25:回答者全員
YOUTRUST:友達の友達までを表示

新R25では「知らない誰か」の投稿まで全て見られる一方で、YOUTRUSTでは知っている人・近しい人のコンテンツしか見れないようになっています。

この2つのサービスやTwitterを意識的に触り、テキスト主体のコンテンツは『誰が言っているか?』を抜きにすると、情報の識別コスト、労力が一気に上がると痛感しました。

人は無意識のうちに「何を言っているか」より「誰が言っているか」でモノの良し悪しを判断します。そのため、ボーッとしながらタイムラインを長く眺めるには、フラットに投稿が置かれている場は苦痛(またはつまらない)で、エンゲージが上がりにくい構造になっているとも言えます。

その点、Twitterは本当によくできていて、「誰が言っているのか」という情報選別コストを下げたうえで、「いいね」「RT」数の多いバズコンテンツは良いものだと無意識に錯覚させることで、さらにタイムライン上の滞在負荷を減らしにきています。笑

基本的に、SNSのタイムラインを眺めているために集中力はいらないですよね?

毎度長文コンテンツをお届けしている私がいうのも難ですが、テキストサービスこそ、「お客さんに楽に楽しんでもらう」発想が大事なのかなと感じます。

あとは、サービス提供側は、「このコンテンツが良いモノだぞ」とあんにほのめかしてあげることも大切ですね。

ということで、新しいサービスを通じて感じた両者の違いから、テキスト主体のサービスで大切なことを書いてみました。

自分は「誰が言っているか」より「何を言っているのか」で判断するよう意識しつつ、一般的には「誰が言っているか?」の方が圧倒的に優位であると覚えておくと、どこかで役に立つかもしれません!

***

「創作の民主化」で実は大切なこと

先週、ジャンプ+から、ネーム(漫画)制作アプリ「World Maker」のクローズドベータ版がローンチされました。

www.watch.impress.co.jp

ラッキーなことに、私もクローズドベータ版に当選しまして、一足先にサービスを使わせてもらっています。

こちら、私が描いた漫画ネームです。

全く絵が描けない私でも漫画を作ることができ、かなりの衝撃が走りました.....

と同時に、マンガ制作という、比較的参入障壁の高いクリエイティブ領域でもコンテンツのコモディティ化が進みそうと直感したわけで、このあたりは個々人に対策が求められそうでもあります。

どういうことかというと、

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